先人の知恵に学ぶ

古い木造建築は地震に弱いと思われがちですが、伝統工法には長い歴史に培われた自然に対応する力が有ります。

清水寺

「清水の舞台から飛び降りたつもりで云々」と、一般的に「清水の舞台」で知られる清水寺本堂(京都市東山区)ですが、この巨大な建造物を支えているのが、釘や金具を使わない柱組み(懸造)だけで出来ている事は有名です。

飛騨

世界遺産「白川郷の合掌造り」が豪雪や地震に強いと言われているのも、大黒柱を中心に、梁(横柱)や束(梁に垂直の柱)によって構成されている構造だからです。

五重塔

また、世界遺産「東寺の五重塔」も、地震で倒壊したという記録は無く、古代の耐震構造の優秀さを示しています。

常識ですが、建物は柱だけでは簡単に倒れてしまいます。

柱、梁、束、通し貫などが交互に組み合わさり、互いを支え合い力を分散させているからこそ、予期せぬ地震の揺れに対応できるわけです。

家具天面を地面と考え、天井を屋根と考えた場合、果たして柱だけで支える事が出来るでしょうか?想像しただけでも恐ろしい結果は明らかです。

数々の優れた伝統建築が、柱と梁を上手く組み合わせている様に、「キューディフェンス」が大きなベースボードで左右の支柱を連結しているのには、先人達の知恵が活かされているのです。

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